この夏休みに、サマーテスト対策として120分×6日のレッスンを実施しました。また、先日は知人の息子さんに8時間ほど集中的に、サマーテスト対策を行いました。つい先週の話です。
この時期の中学3年生に、特に英語が伸び悩んでいる生徒さんに、教えたいことがあります。それは、私が20年間の教員生活で、ずっと悩みながら取り組んできたことでした。
サマーテスト後に生徒たちはこんな言葉をもらします。「時間が全然足りなかった」「長文が難しかった」「英作文が書けなかった」中には、「もう無理」「英語なんて勉強しても点が上がらない」などと言う生徒もいます。サマーテスト後の生徒達の、学習のモチベーションは下がり気味です。しかし、受験に向けて努力を続けなくてはならないことも分かっているため、死んだような眼をして、授業を受けている生徒も見られました。
そんな言葉を漏らし、そんな表情をするのは、英語を教えている私に責任があります。自分の授業計画や、指導方法が適切だったのか、試行錯誤をしながら、常に悩む日々でした。生徒たちが英語の授業や成績で満足感を得られないならば、教員としての本分を果たしていないということになります。
教員生活が14年ほど経過したころでしょうか、私は時間さえあればサマーテストと校長会テストの分析をするようになりました。生徒たちがどのように時間配分をするべきか、リスニング問題にはどのような対策が可能なのか、英語が苦手な生徒が、長文で得点するにはどういった方法があるのか。問題構成から、出題傾向、難易度の変化、公立高校入試との比較、到達度テストとの比較などを行いました。
その結果、気づいた情報や、習得した解答方法があります。生徒に伝え、試し、失敗もし、改善し、その結果習得した解き方です。それが今、何より中学3年生に伝えたいことです。学校現場で正規教員として勤務していたころは、これらを伝える十分な時間はありませんでした。しかし、10月にこういった内容を授業に盛り込むと、生徒達の平均点は学年でおよそ10点以上上がるのです。伸び率の高い生徒は40点ほど上がっていました。受験期のつらい時期に、自分の点数が上がる喜びは、本当に大きいものです。
昨年も、サマーテストの結果に悩み、こちらの教室に通い始めた生徒さんがいました。中学校での順位は上位で、某進学塾に通っていた生徒さんです。サマーテストで伸び悩んだ原因がわからなかったということですが、解答用紙を見れば、課題が何かわかりました。最終的に20点ほど上がり、受験を迎えました。こちらの教室に来てから、点数に多少変動はあったものの、サマーテストのような点数を取ることはなくなりました。
先日集中的にレッスンをした生徒さんは、7月の到達度テストの結果に悩んでいる様子でした。こちらの教室で傾向と対策を学習すると、ご本人が驚くような点数の変化が見られました。3時間も休みなしで私が授業を続けても、集中力を切らさず取り組んでいました。きっと、英語のテストをしながら、初めての感覚をつかんだのではないかと思います。
教員を辞める最後の年に教えた生徒で、印象深い生徒がいます。少しヤンチャな男の子で、その日職員室に呼ばれていました。それまである先生と話をしていたのに、急に怒り出したのです。「英語の授業は絶対出る。ここで話しているより、英語の授業を受けたい。」と言うのです。その頃、私が校長会テスト対策をし始めて、3回目くらいの時期だったと思います。面白いほど、正解が出てきて、授業中ニコニコして「これ、すげーっ!」と言いながら解いていましたから、よっぽど授業に出たかったのでしょう。結局彼は、先生を説得して、授業に参加することができました。彼の言葉は、私の励みとなっています。
このサマーテスト・校長会テスト対策は、通常学校の教員は行いません。それは、教科書の内容を進めることが優先であるため、その時間がなかなか取れないことが主な理由です。さらに、ここまで過去のサマーテスト・校長会テストの傾向と対策を考えている方はいないと思います。数年前まで、問題用紙は焼却処分が課せられていましたので、若い先生方はその内容を知る術がありません。
塾では、ここ数年サマーテスト・校長会テストの問題をストックしていると思いますので、ある程度解答方法については、先生方が分析し、指導している方もいます。しかし、過去の問題を知ることもなく、採点基準も明かされていないこと、さらに、現在も問題用紙が生徒に返却されるのはかなり遅いため、個々の弱点を分析したり、課題に取り組まるためには間に合いません。大勢を対象とした指導や、入試対策はある程度行えますが、個々に応じたサマーテスト・校長会テスト対策は不十分であると考えます。
生徒たちに今必要なことは、テストに関する情報と、それに備えた訓練です。それを繰り返し行うことで、足りない知識が見えてきます。それを補っていきながらも、問題演習を繰り返していきます。不正解となった問題でも、それを答えるに至った思考をたどり、どこまでの考え方が合っていて、どこから誤ったのか、そこを紐解く作業が必要です。紐が解かれていくと、徐々に苦手意識が減り、長文にも立ち向かってみようという姿勢になってきます。何とか英語に光を見出し、取り組めるような、そんなお手伝いがしたいと思います。ぜひ、お問合せ下さい。